群馬県の北西部に位置し、南は長野県軽井沢町と接する人口約4,600人の長野原町(ながのはらまち)。南北に細長い地形は町内で約1,000メートルもの高低差があり、北部の山あいの傾斜地から、南部の浅間高原まで、同じ町内でも土地の高さや風景が大きく異なります。中央から東へ流れる吾妻川(あがつまがわ)が深い渓谷を形成してきました。冬は最低気温がマイナス20度に達することもある厳しい寒さですが、この標高と冷涼な気候こそが、みずみずしい高原野菜や日本有数の酪農地帯を育て上げる恵みとなっています。草津温泉の玄関口としても知られており、交通の要所として賑わいました。1783年(天明3年)、浅間山の大噴火による泥流で吾妻川沿いの村々が埋没してしまいましたが、その跡は「八ッ場(やんば)ダム」の建設に伴う発掘調査で長い時を経て姿を現しました。2020年(令和2年)にダムが完成し、名湯・川原湯温泉や鉄道の駅は高台へ移転して新たな歴史を歩み始めています。高原の涼しい気候をそのまま活かして栽培される特産の「花いんげん」など、豊かな風土と歴史が息づく町です。
長野原町ってどんなところ?
八ッ場あがつま湖と温泉が織りなす水辺の風景
町の東部を流れる吾妻川の渓谷には、2020年(令和2年)に完成した「八ッ場ダム」によって、広大な「八ッ場あがつま湖」が誕生しました。湖面を彩る四季の風景と巨大なダムの迫力は、町の新たなシンボルになりつつあります。「川原湯温泉」は、およそ800年の歴史を持つ名湯です。ダムの建設に伴って高台へと移転しました。新しい温泉街に生まれ変わっても、源頼朝が発見したと伝わる良質な源泉や、伝統の「湯かけ祭り」など、当時から伝わる熱気がけ継がれています。新しい水辺の景色と、歴史ある湯の温もりが交差するエリアです。
浅間山の麓に広がる、北軽井沢の高原リゾート
町の南部、浅間山の麓に広がる一帯は、「北軽井沢」と呼ばれる標高1,000メートルを超える高原地帯です。夏でも涼しく過ごしやすい冷涼な気候が特徴で、キャンプ場や別荘地として長年親しまれています。見渡す限りの広大な自然の中では、牧場で牛たちがのんびりと草を食み、特産のキャベツやとうもろこしといった高原野菜がみずみずしく育ちます。雄大な浅間山の姿を間近に仰ぎながら、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んでリフレッシュできる、アウトドアやドライブにぴったりの場所です。
長野原町のおすすめスポット

八ッ場ダムと八ッ場あがつま湖
吾妻川の中流に位置する、令和2年に完成した群馬県内で最も新しいダムです。ダムの上を歩いて渡ることができ、広大な湖と深い谷のダイナミックな景色を上から見下ろすことができます。少し離れた高台にある展望スペース「八ッ場見放台」からは、巨大なダムの全貌を正面から一望できるのも魅力。また、景色を眺めるだけでなく、湖上を進む水陸両用バスや、大きな橋からのバンジージャンプなど、湖そのものを舞台にしたアクティビティも充実しています。大自然と新しい水辺の風景を、体ごと満喫できるスポットです。

浅間大滝(あさまおおたき)
北軽井沢エリアに位置する名瀑です。高さは約10メートルですが水量が非常に豊かで、岩肌を激しく水が流れ落ちる姿は迫力に満ちています。遊歩道を歩いて滝のすぐ近くまで行くことができ、響き渡る水の音や、ひんやりとした心地よい水しぶきを肌で直接感じられます。周囲の深い森と澄んだ水が織りなす風景美も魅力で、新緑や夏の避暑、秋の紅葉など、季節ごとに違った表情を見せてくれる自然豊かなスポットです。すぐ下流にある、魚が登りきれないほどの迫力ある三段の滝「魚止めの滝(うおどめのたき)」と合わせて散策するのもおすすめです。

やんば天明泥流ミュージアム
1783年(天明3年)の浅間山大噴火による泥流で地中に深く埋まってしまった村の記憶を、現代に伝えるミュージアムです。八ッ場ダムの建設に伴い、吾妻川沿いでは26年間にも及ぶ大規模な発掘調査が行われました。約100万平方メートルという広大なエリアからは、縄文時代から江戸時代に至るまでの遺跡が地層のように幾重にも重なって発見されています。館内ではその貴重な調査成果をもとに、当時の人々の暮らしぶりや、噴火によって村がどうなったのかを分かりやすく展示しています。

川原湯温泉(かわらゆおんせん)
吾妻川の渓谷に湧く、源頼朝が発見したと伝わる歴史ある温泉です。共同浴場の正面には、その由緒を示すように源氏の家紋「笹竜胆(ささりんどう)」が掲げられています。八ッ場ダムの完成に伴い、温泉街ごと高台へと移転し、共同浴場も真新しく建て直されました。心地よい露天の湯に浸かれば、木漏れ日越しに広大なダム湖を見下ろすことができます。長い歴史を受け継ぐ名湯でありながら、目に入るのは今の新しい景色。過去と現在が交差する、ここだけの魅力を持った温泉地です。

川原湯岩脈(臥龍岩・昇龍岩)
川原湯温泉の一帯にある、国の天然記念物です。「岩脈」とは、地下のマグマが地層の割れ目に入り込んで、そのまま冷え固まったもののこと。横たわる龍のような「臥龍岩(がりゅうがん)」と、天へ昇る龍に見立てられた「昇龍岩(しょうりゅうがん)」の2つからなり、荒々しくも力強い姿を見せています。浅間山(あさまやま)をはじめとする火山の連なりに位置する、長野原町ならではのダイナミックな大地の成り立ちが地表にそのまま現れているのが特徴。「浅間山北麓ジオパーク」の区域にも含まれており、何万年という地球の力強い息吹を間近で観察できる貴重なスポットです。

北軽井沢と旧草軽電鉄北軽井沢駅舎
町の南側、浅間高原に広がる北軽井沢は、周囲に牧場や別荘地が点在し、夏でも涼しく過ごせるエリア。かつてこの地には、草津と軽井沢を結ぶ小さな軽便鉄道「草軽(くさかる)電気鉄道」が走っていました。鉄道はその後廃止されましたが、当時の面影を残す駅舎は国の登録有形文化財として大切に保存されています。
長野原町の名物・特産品・お土産

花いんげん
長野原町の南部など、標高が高く夏でも涼しい浅間高原の気候を活かして育てられる特産の豆です。大粒なのが特徴で、ふっくらとした煮豆に仕立てると、豆本来の豊かな風味がしっかりと感じられます。群馬の郷土料理としても古くから親しまれております。

とうもろこし
長野原町の南部に広がる浅間高原の気候が育む、みずみずしい特産品です。標高の高い土地特有の大きな「昼夜の寒暖差」が、とうもろこしの実に強い甘みを蓄えさせます。夏でも涼しい環境のため、平野部よりも少し遅い時期まで収穫できるのが特徴。とうもろこしは収穫直後から味が落ちやすいため、もぎたてを地元の直売所で手に入れたり、産地直送で味わったりするのが美味しい楽しみ方です。

キャベツ
標高が高く夏でも涼しい高原地帯で育つ、長野原町を代表する野菜です。暑さに弱いキャベツにとって、冷涼な浅間高原の気候は絶好の環境。応桑や北軽井沢の一帯には、青々としたキャベツ畑が広がります。シャキッとした食感を楽しむ生のサラダはもちろん、サッと火を通す炒め物やじっくり煮込む料理にしても旨みが引き立ちます。比較的日持ちもするため、直売所で購入するお土産としても親しまれている定番の品です。

牛乳
町内の牧場で搾られる、新鮮な牛乳です。長野原町は有数の酪農地帯。応桑や北軽井沢の高原にのどかな牧場が広がっています。標高が高く夏でも涼しい土地は、暑さに弱い牛たちにとって非常に過ごしやすい環境です。搾りたてに近い状態で味わえる牛乳は、そのまま飲んでも、料理に使っても、豊かなコクと風味に確かな違いが出ます。牛乳から加工した、ヨーグルトやチーズ、アイスクリームなども名産です。
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