群馬県の東南端に位置する、人口約1万人の千代田町(ちよだまち)。東京から60キロメートル圏内、利根川中流の左岸に沿って細長く広がる平らな土地です。南は利根川を挟んで埼玉県と向かい合い、町に沿うようにして、利根川が流れています。江戸時代には江戸への水運の拠点となり、赤岩には河岸が置かれて発展してきました。現在も赤岩と対岸を結ぶ渡し船が動き、県道でありながら「橋のない公道」として機能しています。南部の利根大堰で取水された水は、農業用水や首都圏の飲み水として利用されています。米と麦の農業と、2つの工業団地が一体となった町でもあります。北西部には苗木や花木の産地が広がり、「植木の里」と呼ばれてきました。川沿いの集落では古くからうなぎ料理店が商いを続け、豊かな地下水を活かしたビール工場も稼働した、水と一体の町です。晴れた日には、川沿いの公園から富士山が見えます。
千代田町ってどんなところ?
利根川と豊かな水資源
町の南側を流れる利根川。江戸時代には江戸への水運の拠点として栄え、現在も対岸の埼玉県を結ぶ渡し船が動いています。県道でありながら「橋のない公道」として機能する、独自の風景っです。南部の利根大堰で取水された水は、農業用水や首都圏の飲み水として利用されています。川沿いの集落には古くからうなぎ料理店が並び、豊かな地下水はビール工場でも活用。水資源の恵みとともに歩んできた、水と一体の町です。
農業と工業が共存する「植木の里」
東京から60キロメートル圏内に位置する、起伏のない平らな土地でもあります。肥沃な土壌を活かした米や麦の農業が盛んで、北西部には苗木や花木の産地が広がり、古くから「植木の里」と呼ばれてきました。同時に、町内には2つの工業団地が整備されており、農業と工業が高い水準で一体となっています。首都圏からのアクセスの良さと、平坦な地形を活かした産業が共存する地域です。
千代田町のおすすめスポット

赤岩渡船(あかいわとせん)
利根川の赤岩と、対岸の埼玉県熊谷市葛和田を結ぶ渡し船です。県道でありながら「橋のない公道」として機能し、通行のための料金はかかりません。船着き場から旗を上げて船を呼びます。渡るのは、川幅の広い利根川の本流。戦国時代の記録にも名が残り、江戸時代には水運の拠点として栄えました。現在も年間1万人を超える人が利用し、川とともに歩んできた町の姿を伝えています。

光恩寺
水運の拠点として栄えた赤岩地区にある古刹です。国指定重要文化財の「銅五種鈴」をはじめ、県指定の「阿弥陀三尊像」や「地蔵菩薩画像板碑」を所蔵。日本初の女性医師・荻野吟子の生家から移築された長屋門は、庫裡(くり)、客殿、石蔵とともに国の登録有形文化財に指定されています。県指定天然記念物「光恩寺のコウヤマキ」が育つ、緑豊かな境内。利根川の舟運で栄えた町の歴史を、現在に静かに伝えています。

利根大堰(とねおおぜき)
町の南部に位置し、利根川をせき止める巨大な堰です。1968年(昭和43年)から取水を開始し、利根川中流の農業用水や首都圏の飲料水、工業用水をまかない人々の暮らしを支えています。堰の上は道路として機能しており、群馬と埼玉を接続しています。埼玉県側の魚道には観察室が設けられており、海から100キロ以上も遡上してきたサケなどが川を上る姿を、窓越しに間近で観察することができます。水資源を調節し、人々の暮らしと自然環境をつなぐ場所です。

なかさと公園
利根川沿いに整備された、「水と風」をテーマにした広さ約5ヘクタールの公園です。園内には利根川を見下ろす展望台や、60メートルのローラースライダー、野球場が存在します。遠くの山まで見渡せる、見晴らしの良さが特徴。園内の「ふれあい橋」からの富士山の眺めは、「関東の富士見百景」にも選ばれています。晴れた日には川の向こうに上毛三山を望み、川を渡る風が抜けていく、町の人々の憩いの場です。
千代田町の名物・特産品・お土産

植木・花木
「植木の里」として知られる町北西部で栽培される庭木や花木。約100ヘクタールの畑が広がり、多くの農家が苗木を育てています。本格的な栽培が始まったのは1950年代前半。現在では全国的にも知られる産地となりました。家庭の庭に植える1本から公共の造園に使う木まで、幅広く出荷。庭木とあわせ、季節ごとに花を咲かせる花木も育てられています。

米
町の農業の中心にある作物です。麦の栽培や2つの工業団地と並び、千代田町を支える産品です。利根川がもたらす豊かな水資源を利用しており、南部の利根大堰から引かれた水が、中流一帯の田に入ります。首都圏の飲み水と同じ川の水で育つ米です。

ビール
利根川の豊かな水と、良質な地下水を活かして造られるビール。町内にある大手ビール工場では、国内に4つある同社のビール工場の中で最多の品目を手掛け、全体の生産量の半分近くを担う重要な拠点です。利根川の水が首都圏の飲み水となり、地下水がビールになる。「農業と工業が高い水準で一体となった町」という千代田町を象徴しています。

いちご
町内で栽培されている、群馬県のオリジナル品種「やよいひめ」。「とねほっぺ」と「とちおとめ」を掛け合わせて誕生し、大粒で日持ちが良いのが特徴です。
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