群馬県の南西部、富岡市の東に隣り合う甘楽町は、人口およそ1万2千人が暮らす町です。南の稲含山から北へ向かって土地が下がり、山間地、丘陵地、平坦地と姿を変えていきます。富岡市との境を鏑川が流れ、町の中心を雄川、西に下川、東に天引川が通って北で鏑川に注ぎます。年間を通して雨が少なく、乾いた気候が特徴です。中心部の小幡は江戸時代に織田氏が治めた城下町で、大名庭園「楽山園」や歴史ある水路「雄川堰」、赤煉瓦造りの繭倉庫など、城下町の面影を残す歴史的な遺構が今も大切に守られています。また、日照に恵まれた環境を生かした農業も盛んで、特産のキウイフルーツやこんにゃく芋、下仁田ねぎをはじめ、果樹や野菜、手づくり味噌など多彩な産物が育まれています。
甘楽町ってどんなところ?
群馬で唯一の大名庭園
甘楽町の中心、小幡は小幡藩の城下町でした。織田信雄が1615年(元和元年)にこの地を拝領し、藩邸に付属する庭園として造られたのが「楽山園」です。池のまわりを歩いてめぐる池泉回遊式で、西の雄川をはさんだ紅葉山、南の連石山や熊倉山までを風景に取り込んでいます。戦国武将の庭から大名庭園へ移り変わる時期のもので、群馬県内では唯一の大名庭園として国の名勝に指定されています。園内には梅の茶屋や五角形の腰掛茶屋が置かれ、京都の桂離宮と共通する借景の作りを取り入れた庭園としても知られています。
乾いた丘陵がもたらす実り
甘楽町は年間を通して雨が少なく、年間平均気温も穏やかで、群馬のなかでも比較的に乾いた土地にあたります。地形は南の稲含山から北へ下り、山間地から中央の丘陵地にかけて畑作地帯が広がっています。ここでは生鮮野菜やこんにゃく芋のほか、県内有数の産地であるキウイフルーツや、りんごなどの果樹が栽培されています。旬の時期には町内の農園で果物狩りも楽しめます。雨が少なく日の当たる土地で、多彩な農作物が作られています。
甘楽町のおすすめスポット

楽山園
小幡藩の藩邸に付属していた大名庭園です。江戸時代初期に織田氏によって造られたもので、群馬県内では唯一の大名庭園として国の名勝に指定されています。池のまわりを歩いて巡る池泉回遊式の作りで、庭の外に広がる山並みを風景として取り込んでいます。園内には梅の茶屋や五角形の腰掛茶屋が配され、歩くにつれて変化する豊かな借景の美を楽しめます。

雄川堰
小幡の町なかを流れる歴史ある水路で、農林水産省の「疏水百選」にも選ばれています。一級河川の雄川から水を引き、本流と小堰を合わせた総距離はおよそ9キロに及びます。1629年(寛永6年)から1642年(寛永19年)にかけての小幡藩陣屋の整備に伴って造られたとされ、水路沿いには今も多くの洗い場や石橋が残されています。甘楽町の重要文化財に指定されており、清流に沿って広がる武家屋敷地区とあわせた城下町散策が楽しめます。

武家屋敷地区
小幡の城下町の面影を残す武家屋敷の一帯です。雄川堰の清流に沿って通りが延び、群馬県の史跡に指定された松浦氏屋敷をはじめとする歴史的な街並みが広がっています。周辺の寺院には、小幡藩を治めた織田家七代の当主が眠る墓所も残されています。大名庭園の楽山園や雄川堰、武家屋敷が近い距離にまとまっているため、当時の面影を感じながら歩いて巡ることができます。

歴史民俗資料館
赤煉瓦造りの資料館です。もとは大正15年、この地方の養蚕がいちばん盛んだった時期に、組合製糸小幡組の繭倉庫として建てられました。小幡陣屋の大手門があった場所に建っており、養蚕の最盛期を象徴する建物として甘楽町の重要文化財になっています。国の近代化産業遺産、群馬県のぐんま絹遺産、文化庁の日本遺産にも認定されました。館内には円空が彫った仏像三体や、養蚕と製糸、織物の資料が並びます。

道の駅甘楽
甘楽町の観光の拠点となる道の駅です。特産のキウイフルーツをはじめとする旬の農産物や、こんにゃく、自家製果汁ジュースなどの加工品が揃います。食堂ではきじ肉ともちきびを使った名物の「桃太郎ごはん」が味わえるほか、姉妹都市であるイタリアのチェルタルド市から直輸入したワインやオリーブオイルも取り扱っており、城下町散策の拠点やお土産選びに最適な場所です。
甘楽町の名物・特産品・お土産

キウイフルーツ
甘楽町が県内有数の産地として知られる代表的な果樹です。群馬県の主要産地として富岡市とともに挙げられており、日当たりの良い丘陵地などを生かして栽培されています。甘みと酸味のバランスが良い味わいが特徴で、町内の道の駅や直売所では、採れたての果実のほかジュースなどの加工品も扱われています。

こんにゃく
町内で原料となるこんにゃく芋の栽培から加工まで手掛けている特産品です。特に手づくりの「さしみこんにゃく」や「ちぎりこんにゃく」は、ツルリとした独自の喉ごしと歯ごたえで親しまれています。酢味噌やわさび醤油を添えて、素材そのものの風味を楽しめます。

轟みそ(とどろきみそ)
甘楽町の轟(とどろく)地区で伝統的に作られている天然醸造の減塩手作り味噌です。地元組合が毎年1月に仕込み、1年間じっくり熟成させた寒仕込みの麦味噌で、麦のつぶ感が残る食感と豊かな香りが特徴です。少し辛口で切れのある味わいが親しまれており、道の駅 甘楽などの直売所で購入できる町の特産品です。

雄川ねぎ
町の中心を流れる雄川の名を冠した、甘楽町固有のねぎです。太くやわらかい身と甘みの強さが特徴で、町の特産品として大切に育まれています。主に冬の時期に収穫され、地元の直売所や道の駅などに並びます。
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